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マネーの虎、無国籍パスタ専門店の考察

マネーの虎のビジネス学
上原です。

マネーの虎に学ぶビジネス学講座ですが、今回はこちらの「無国籍パスタ専門店」を考察してみます。

それでは早速いってみましょう。

マネーの虎、無国籍パスタ専門店の考察



プレゼンターは27歳のフリーターで、やりたい事業は「無国籍の創作パスタ屋」。

希望した金額は1800万円でした。

マネーの虎の中でも最も多かったと思われる

「飲食系の事業を始めたい」

という志願者の一人ですが、他の飲食系の事業を始めたいという志願者に比べると、この志願者は事業計画に「これ」と言ったポイントが無いわりに、何故か「虎」達の評価が高かった印象があります。

基本的に志願者が提唱していたポイントは、

・無国籍の創作パスタを豊富に揃えた店にする事

・メニューを増やし、定期的に入れ替える事で365日間、いつ来ても違うものを食べられるようにする事

・それによって客を飽きさせないという事

といった「メニューの豊富さで客を飽きさせない」というところと、

・乾麺ではなく生麺を使った生パスタを出す事で、調理時間を短くして店の回転を速くする

という、調理部分での回転率を高めるところを強調していたところ。

あとは、

・高級住宅街に出店して富裕層の主婦をターゲットにする

というターゲットのイメージを明確にしていたところくらいで、私的には、特にどのポイントについても正直そこまでピンと来るものではありませんでした。

まず、メニューを豊富にして客を飽きさせないというスタイルは飲食店においてはプラスになる場合もありますが、それがそのままマイナスになる場合もあり、正直、飲食店においては「諸刃の剣」に近い経営戦略と言えます。

確かにそういう方針で上手くいっているお店もありますが、それは本当にごく一部の大手フランチャイズ系の飲食店くらいで、大抵の「上手くいっている飲食店」では、そのようなメニューを次々と切り替えていくような経営はしていません。

むしろ長期的に成功しているような飲食店ほど、決まったメニューを定着させてリピーター客を掴んでいるのが実情です。

せいぜい、その定番メニューを基盤とした中で、期間限定メニュー的なものを定期的にやっている程度でしょうか。

ただ、この志願者のプレゼンを聞いている限りでは、何百種類ものメニューをどんどん提案して、365日違う料理を食べられるようにするという感じなので、正直そんな飲食店が流行るイメージはなかなか持てません。

「あのお店のあのパスタが食べたい」

というお客さんが付いてこそリピーターを取れるのであって、

「あのお店はいつ行っても違うパスタが食べられるから」

という理由でリピーターになるお客さんはそうはいないと思います。

その辺りで既に私はこの志願者の経営方針にはあまり賛同出来ませんでした。

また、

「乾麺ではなく生麺を使う事で調理時間を短縮できる」

という主張も、志願者は実際にパスタ専門店で料理人としての経験を積んでいるというわりに、少々考えが「浅い」ような気がしてなりませんでした。

というのも、私自身イタリアンのお店をやっている経営者やオーナーシェフにも知り合いがいるのですが、パスタは味や料理に拘れば拘るほど、そのソースの調理1つにしても時間がかかるという話です。

この志願者は乾麺のパスタが20分の茹で時間が必要なのに対し、生麺(生パスタ)であれば2分で茹で上がるので、パスタの調理自体は2分もあれば出来る・・・と言っていますが、まず乾麺でも20分の茹で時間はちょっと話を盛り過ぎです(笑)

まあ、専門的なものになるとそういう乾麺もあるのかもしれませんが、せいぜい10分、いくら長くても15分くらいのパスタが普通じゃないかと思いますね。

というか普通にスーパー等で売ってるパスタでも、茹で時間は大体5~7分が相場ですから、業務用の乾麺で、あえて提供時間が遅くなるようなパスタを採用するメリットがありません。

で、その誤差はいいのですがパスタの茹で時間を2分に短縮しても、実際の調理を2分でやるというのは、どう考えてもソースを冷凍しておくか、出来合いのものを使うかで、味や質を落とさない限りはどう屁理屈をこねても無理な時間設定です。

志願者は「生麺が原価が高いから使われていない」とした上で、

「原価を高めても、回転を速めるメリットの方が大きい」

という事を主張していますが、これはちょっと考えが甘いです。

確かに2分の茹で時間の間にソースや具材の調理が出来るなら、その考えは「正しい」という事になりますが、大半のパスタ屋で生麺を使っていないのは原価だけの問題じゃありません。

それこそ生麺を使ってそこまで回転を上げられるなら、多少原価が高くなっても生麺を使うお店はもっと出てくるはずです。

つまり、ただ実情がそうでないのは生麺を使っても実際の調理の回転はそこまで変わらないからです。

それはそれなりの味と質を伴うパスタのソースを作る調理時間、その具材の調理などに、結局2分以上の時間を要するからなんですね。

「どうせ調理に時間を要するなら、原価の安い乾麺を使う」

これが大半のパスタ屋の判断であり、現実だと思います。

この志願者がどこのパスタ屋で調理経験を積んでいるのかは不明ですが、仮に2分そこそこで調理が出来てしまうパスタを作っていたというなら、そのお店はあまり質や味に拘っていなかったんじゃないかと思いますね。

マネーの虎の方針そのものが脱線?した結末。

この志願者の事業計画としてプレゼンされていたのは、ほぼここまでの内容が全てだったのですが、この放送回の結末は少々マネーの虎という企画そのものの方針というか趣旨そのものが、やや脱線した形で終わる事になります。

経緯としては、小林敬社長が、

「自分が大阪に出す店に従業員として働き、その店の同僚があなたを認めたら、大阪で店を一件任せる。」

と提案。

志願者は、

「それで社長(経営者)になれるなら、お願いします。」

と承諾。

この時点で、マネーの虎というテレビ番組の企画としては、

「どうなの?」

と思ってしまう展開で、どちらかと言えば「愛の貧乏脱出大作戦」のような形になってしまったと思ったのは私だけでしょうか(笑)

という展開だったので、そこにモッツ出版の高須基仁社長が、

「自分の店を出すという志をそう簡単に曲げるな!」

と声を荒らげ、分かるような分からないような主張を展開したものの、結局この志願者は当初の小林敬社長の提案に乗る形で終わりました。

これは、声を荒らげた高須基仁社長が少々感情的になり過ぎてしまった事で、一見は高須基仁社長がおかしい事を言っているようにも見えるのですが、そもそもの「小林敬社長の提案がおかしい」というのが実際ところです。

もともとマネーの虎は志願者の事業計画に対して、マネーの虎とされる社長等が資金を出して、その事業をさせるかどうかというのが趣旨の番組ですから、この放送回の小林敬社長の提案は明らかに趣旨とズレています。

しかも、後にその志願者に「店を任せる」という話も、

「自分が出す大阪の店を任せてもいい。」

という言い方なので、小林敬社長の真意は分かりませんが、これは結局のところ、

「ゆくゆくは自分(小林社長)の店の雇われ店長にしてやるよ」

という提案と変わらないもののように私は思いました。

要するに、1800万円を志願したパスタ屋の開業話はほぼ完全に立ち消えたに等しく、結末だけを言えば小林敬社長が番組を通して、自分の店で働く従業員を一人雇用したというだけの話ですからね。

優秀な従業員にお店を任していくというのは、複数の飲食店を経営しているような経営者であれば普通の事ですので、言わば小林敬社長はその普通の提案を普通にしただけ・・・というわけです。

高須基仁社長も最初はその辺りに異を唱えていたのですが、感情的になっているうちに、いつの間にか話が

「東京でやると決めたら東京でやれ。」

「簡単に大阪でやるとか言うな。」

「東京でやってる人間からすると・・・」

と、明らかに私的な感情話ばかりが出て来てしまい、当初の正論が訳の分からない方向にいってしまっていました。

結果、高須基仁社長の主張はよくわからないものになり、

「条件付きでマネー成立?」

という、やや強引な結末で終わってしまったという感じです。

まあ要するに、その志願者を評価した小林敬社長も、彼のパスタ屋の事業計画には1800万円という金額に見合う、その投資価値までは見出せなかったという事なのかもしれません。

小林敬社長の提案を受けた志願者としても、

「小林社長に認められれば自分に店を任せてもらえる」

という思いでその提案を受けたのだと思いますが、それこそ高須基仁社長が指摘したように、

「自分がやりたかった店の話は??」

という感じですし、

「社長(経営者)になるのが僕の目標なので手段は選びません」

という事を高らかと主張してはいましたが、小林敬社長の提案は明らかにただの「雇われ店長止まり」の提案なので、その提案を受けた時点で全く「経営者」には近付いていないのですが、当の本人はそこにも気付いていないような気がしました。

そして、飲食業界の虎であるはずの安田久社長が、この放送回ではほぼ発言が無かったのも少し気になりました(笑)

それこそ小林敬社長の提案、高須基仁社長の主張、どちらも「何言ってんの?」という感じになってしまい、一切口を挟む事さえしなかったのかもしれません。

ちなみにこの放送回の志願者については後日談情報が一切ありませんので、結局、雇われ店長にさえなれなかったものと推察されます。

・・・以上、今回の「マネーの虎に学ぶビジネス学講座」は、「無国籍パスタ専門店開業編」の考察でした。

他の放送回における考察も行っていますので、興味があればどうぞ。

>>マネーの虎に学ぶビジネス学講座一覧

それでは上原でした。

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