上原です。
マネーの虎に学ぶビジネス学講座。
今回はこちらの
「ハワイ風のファーストフード、ロコロール編」
を考察してみます。
プレゼンターは食品メーカー勤務の男性で、やりたい事業は「ロコロール」という、ハワイをモチーフにしたオリジナル商品を扱う、ファーストフード店の開業でした。
希望した金額は500万円。
結論から言うと、この志願者は見事にマネーを獲得し、この「ロコロール」のファーストフード店を開業させます。
決め手はシンプルにその「ロコロール」がおいしかった事。
実際に社長達にこの「ロコロール」を試食させた際は、ほぼ全ての社長が大絶賛という状況になり、試食後「飲食の虎」と言われていた安田久社長が、ほぼ即決で500万円の出資を決めたという流れでした。
また、実際にお金を出した安田久社長が自分自身の過去や自身の境遇に、この志願者を重ねたところも大きかったように思えます。
そしてこの「ロコロールのファーストフード店」は、その500万円を元手に1店舗目が開業に至り、すぐに2店舗目を開業するという勢いを見せました。
そこまでは完全な成功例に思えましたが、その後、まもなくして開業していった店舗は全て閉店に至ります。
その時系列を振り返る限りでは、このロコロールのファーストフード店は東京での出店でしたので、1店舗目の成功は「マネーの虎」のテレビ効果が大きかったんでしょう。
あれだけ試食していた社長達が大絶賛していれば、
「食べてみたい」
と思う人がどんどん出て来てもおかしくありません。
地方でもそのテレビ効果で人が集まるのですから、東京の中心街であれば、そのテレビ効果は更に絶大です。
そのマネーの虎のテレビ効果から、1店舗目の店舗は、さぞ「大成功」していると、志願者自身はそう勘違いしてしまった可能性があります。
その一時的なものでしかない可能性が高い状況を、
「これはイケる!」
と安易に判断してしまったのが失敗の要因ではないかと思います。
そのテレビ効果で集まる人達を次々とリピーターに出来ていれば、2店舗もその後の店舗経営も順調にいったと思いますが、結局この「ロコロール」ではそれが出来なかったわけですからね。
最終的に、この志願者は借金なども背負ってしまったらしいので、1件目の店舗にどんどんお客さんが入ってきたのは、あくまでもマネーの虎のテレビ効果による一時的なものであるという事を自覚するべきだったかもしれません。
その自覚があれば、もう少し1店舗目で様子を見て慎重な店舗展開が出来たはずです。
マネーの虎のテレビ効果が無くなってきた頃にリピーターが少ない事に気付ければ、そこで何か手を打っていく事も出来たはずだからです。
そこをこの志願者は、先に店舗展開を急いでしまい、マネーの虎のテレビ効果が無くなってしまった頃には、簡単に手を打てないような状況になっていたわけですね。
1店舗展開と2店舗展開では、目が行き届く範囲も狭まり、いざお客さんの回転が減った際の費用も2倍になりますので、この志願者はまずは1店舗のみの経営状況で、しっかりとした基盤を作るべきだった思います。
尚、ここまでの考察は、マネー成立後の経営展開についてですが、この「ロコロール編」では、そのプレゼンテーション段階で、その「起業姿勢」に対して2名ほどの社長に批判を受けていました。
批判の声を挙げたのは、当時の生活創庫、堀之内九一郎社長と、美空ひばりさんの息子さんである加藤和也社長の2名。
その「批判」の理由は、志願者が現在勤めている会社の方に、マネーの虎の出演やマネー成立後の退職を考えている事を一切伝えず、そのような状態でマネーの虎に出て来ている事自体が、現在勤めている会社に対して「不義理である」というものでした。
一応、この志願者はヘッドハンティング的な形で、現在の会社に来てほしいという声が上がり、実際に現在の会社に移って4カ月目という状況という中
「ヒット商品の開発に携わっている」
という話が先立つ自己紹介の中で出て来ていました。
その状況を踏まえて、
「マネーが成立したら、会社を辞めて起業したい」
という志願者の姿勢に対し、堀之内九一郎社長、 加藤和也社長の2名は批判的な声を挙げたわけです。
『それってわがまま、身勝手だと思いませんか?』
『重要な人材がいなくなると経営者が困るのわかりませんか?』
と加藤和也社長。
『大人として義理を大切にするべき』
『辞める意思を会社に先に伝えてからここに来るべきであり、会社を辞める前に他のところに面接に行っているようなもの。』
と堀之内九一郎社長。
ただ、この2名の社長の意見に対して、最終的に500万円を出した飲食の虎、安田久社長は、
『そんなの(会社への退職話)この時点で。(マネー成立が)決まったら、言いに行けばいい話。』
と一蹴します。
個人的にも正直言って、確かに加藤和也社長、堀之内九一郎社長、両社長の「言いたい事」は分からないでもありません。
ですが、両社長の考えはそれこそ経営者のエゴでしかないと思います。
社員、雇われる側がいつ会社を辞めようと、それは法律的に見ても自由ですし、まして起業を志して辞めるというのですから、これは何カ月間務めた、何カ月しか勤めていないなど、勤めた期間なども全く意味のない話です。
仮に雇用時点で何かしらの「契約」を交わしているとしても、志願者がその契約内容に記載あるベナルティ等を受けるかどうか。
それだけの判断ポイントでしかないと思います。
会社を辞めて独立するかは本人の自由であり、会社側がそれを止めたければ、相応の条件(給与など)を積んで、その雇用者を繋ぎ止めるしかないわけです。
優秀な人材ほど、その駆け引きは付き物ですので、ただの「雇用者」としてその会社に属しているだけであればその人がいつ会社を辞めようと、それは自由です。
はっきり言って「無責任」や「わがまま」なんて発言が出てくるのは流石に世間知らず過ぎるんじゃないかと思いますね。
もし、その雇用段階でその会社の経営者や上司と何らかの固い約束等を交わしているなら、確かにそれは「不義理」にはなるかもしれませんが、志願者の話の中ではとくにそんな話は出ていません。
ですので、加藤和也社長、堀之内九一郎社長、両社長の「気持ち」や「言いたい事」はわからなくもありませんが、この志願者の行動は何ら「わがまま」でも「無責任」でもないと思います。
その志願者がただの雇用者なのであれば、そもそもそこに「責任」などは発生していないわけですから。
その人材が抜けて会社的に損失があるとしても、その責任を負っているのは全て経営者(社長)であり、社員、雇用者にはそういったところに責任などは何もありません。
経営者はそのような責任を伴う立場にあるからこそ、会社の儲けの大半を持っていく事が出来るんです。
まして、マネーの虎で資金を出してもらえるかなど、全く持って「分からない」わけですから、
『私はマネーの虎に出ます。お金を出してもらえたら会社を辞めて自立します。』
というような事を先に会社に言う意味もなければ、その必要なども全くありません。
会社に勤めながら自立を目指している人が、どうなるかも分からない「資金集め」をしているような段階で、あえてその事を会社に言うメリットなど何も無いからです。
まとまった資金が集まり、独立のめどが現実的に立った段階。
そこで初めて退職を願い出る事は至って普通の事だと思います。
その際、会社側から、
「せめてあと〇カ月はいて欲しい」
などの提案を受け、そこで「義理」を感じるなら、会社側、経営者側の提案に乗ってあげればいいだけの話です。
会社側がいつでも社員をクビにする自由があるように、雇用者側もいつでも会社を辞める自由があります。
私はそれが普通だと思いますので、加藤和也社長、堀之内九一郎社長の意見は気持ちが全く分からないわけでもありませんが、結局それは経営者のエゴでしかない意見だと思いました。
このくだりに関しては安田久社長が正しいと思いましたね。
勿論、感情論で言えば意見は様々なところだと思いますが、会社側がいつでも社員をクビにする自由があるように、雇用者側もいつでも会社を辞める自由がある。
私はこれが「現実」だと思いますので、この件に関しては、この現実こそが全てだろうと思いました。
まあ、時に「感情論」が大事な物事もあるかもしれませんが、ビジネスというフィールドにおける経営者の経営判断は、もっと合理的に、ドライに割り切るべき事が多いと思います。
そういう点では、加藤和也社長は生まれ、境遇的にも感情論で物事を上手く運べるような立場だったのが「現実」ですし、堀之内九一郎社長はその末路を考えると、少しこの辺りの経営判断が出来ない人だったのかもしれません。
勿論、このくだりのみで2名の社長の経営者としての器、気質を図れるというわけではありません。
ですが、こういうところにも経営者としての一端が現れるという話でした。
以上、今回の「マネーの虎に学ぶビジネス学講座」は、
「ハワイ風ファーストフード、ロコロール編」
の考察でした。
他の放送回における考察も行っていますので、興味があればどうぞ。
>>マネーの虎に学ぶビジネス学講座一覧
マネーの虎に学ぶビジネス学講座。
今回はこちらの
「ハワイ風のファーストフード、ロコロール編」
を考察してみます。
マネーの虎、ロコロール編考察
プレゼンターは食品メーカー勤務の男性で、やりたい事業は「ロコロール」という、ハワイをモチーフにしたオリジナル商品を扱う、ファーストフード店の開業でした。
希望した金額は500万円。
結論から言うと、この志願者は見事にマネーを獲得し、この「ロコロール」のファーストフード店を開業させます。
決め手はシンプルにその「ロコロール」がおいしかった事。
実際に社長達にこの「ロコロール」を試食させた際は、ほぼ全ての社長が大絶賛という状況になり、試食後「飲食の虎」と言われていた安田久社長が、ほぼ即決で500万円の出資を決めたという流れでした。
また、実際にお金を出した安田久社長が自分自身の過去や自身の境遇に、この志願者を重ねたところも大きかったように思えます。
そしてこの「ロコロールのファーストフード店」は、その500万円を元手に1店舗目が開業に至り、すぐに2店舗目を開業するという勢いを見せました。
そこまでは完全な成功例に思えましたが、その後、まもなくして開業していった店舗は全て閉店に至ります。
その時系列を振り返る限りでは、このロコロールのファーストフード店は東京での出店でしたので、1店舗目の成功は「マネーの虎」のテレビ効果が大きかったんでしょう。
あれだけ試食していた社長達が大絶賛していれば、
「食べてみたい」
と思う人がどんどん出て来てもおかしくありません。
地方でもそのテレビ効果で人が集まるのですから、東京の中心街であれば、そのテレビ効果は更に絶大です。
そのマネーの虎のテレビ効果から、1店舗目の店舗は、さぞ「大成功」していると、志願者自身はそう勘違いしてしまった可能性があります。
その一時的なものでしかない可能性が高い状況を、
「これはイケる!」
と安易に判断してしまったのが失敗の要因ではないかと思います。
そのテレビ効果で集まる人達を次々とリピーターに出来ていれば、2店舗もその後の店舗経営も順調にいったと思いますが、結局この「ロコロール」ではそれが出来なかったわけですからね。
最終的に、この志願者は借金なども背負ってしまったらしいので、1件目の店舗にどんどんお客さんが入ってきたのは、あくまでもマネーの虎のテレビ効果による一時的なものであるという事を自覚するべきだったかもしれません。
その自覚があれば、もう少し1店舗目で様子を見て慎重な店舗展開が出来たはずです。
マネーの虎のテレビ効果が無くなってきた頃にリピーターが少ない事に気付ければ、そこで何か手を打っていく事も出来たはずだからです。
そこをこの志願者は、先に店舗展開を急いでしまい、マネーの虎のテレビ効果が無くなってしまった頃には、簡単に手を打てないような状況になっていたわけですね。
1店舗展開と2店舗展開では、目が行き届く範囲も狭まり、いざお客さんの回転が減った際の費用も2倍になりますので、この志願者はまずは1店舗のみの経営状況で、しっかりとした基盤を作るべきだった思います。
批判の声が上がった志願者の起業姿勢。
尚、ここまでの考察は、マネー成立後の経営展開についてですが、この「ロコロール編」では、そのプレゼンテーション段階で、その「起業姿勢」に対して2名ほどの社長に批判を受けていました。
批判の声を挙げたのは、当時の生活創庫、堀之内九一郎社長と、美空ひばりさんの息子さんである加藤和也社長の2名。
その「批判」の理由は、志願者が現在勤めている会社の方に、マネーの虎の出演やマネー成立後の退職を考えている事を一切伝えず、そのような状態でマネーの虎に出て来ている事自体が、現在勤めている会社に対して「不義理である」というものでした。
一応、この志願者はヘッドハンティング的な形で、現在の会社に来てほしいという声が上がり、実際に現在の会社に移って4カ月目という状況という中
「ヒット商品の開発に携わっている」
という話が先立つ自己紹介の中で出て来ていました。
その状況を踏まえて、
「マネーが成立したら、会社を辞めて起業したい」
という志願者の姿勢に対し、堀之内九一郎社長、 加藤和也社長の2名は批判的な声を挙げたわけです。
『それってわがまま、身勝手だと思いませんか?』
『重要な人材がいなくなると経営者が困るのわかりませんか?』
と加藤和也社長。
『大人として義理を大切にするべき』
『辞める意思を会社に先に伝えてからここに来るべきであり、会社を辞める前に他のところに面接に行っているようなもの。』
と堀之内九一郎社長。
ただ、この2名の社長の意見に対して、最終的に500万円を出した飲食の虎、安田久社長は、
『そんなの(会社への退職話)この時点で。(マネー成立が)決まったら、言いに行けばいい話。』
と一蹴します。
個人的にも正直言って、確かに加藤和也社長、堀之内九一郎社長、両社長の「言いたい事」は分からないでもありません。
ですが、両社長の考えはそれこそ経営者のエゴでしかないと思います。
社員、雇われる側がいつ会社を辞めようと、それは法律的に見ても自由ですし、まして起業を志して辞めるというのですから、これは何カ月間務めた、何カ月しか勤めていないなど、勤めた期間なども全く意味のない話です。
仮に雇用時点で何かしらの「契約」を交わしているとしても、志願者がその契約内容に記載あるベナルティ等を受けるかどうか。
それだけの判断ポイントでしかないと思います。
会社を辞めて独立するかは本人の自由であり、会社側がそれを止めたければ、相応の条件(給与など)を積んで、その雇用者を繋ぎ止めるしかないわけです。
優秀な人材ほど、その駆け引きは付き物ですので、ただの「雇用者」としてその会社に属しているだけであればその人がいつ会社を辞めようと、それは自由です。
はっきり言って「無責任」や「わがまま」なんて発言が出てくるのは流石に世間知らず過ぎるんじゃないかと思いますね。
もし、その雇用段階でその会社の経営者や上司と何らかの固い約束等を交わしているなら、確かにそれは「不義理」にはなるかもしれませんが、志願者の話の中ではとくにそんな話は出ていません。
ですので、加藤和也社長、堀之内九一郎社長、両社長の「気持ち」や「言いたい事」はわからなくもありませんが、この志願者の行動は何ら「わがまま」でも「無責任」でもないと思います。
その志願者がただの雇用者なのであれば、そもそもそこに「責任」などは発生していないわけですから。
その人材が抜けて会社的に損失があるとしても、その責任を負っているのは全て経営者(社長)であり、社員、雇用者にはそういったところに責任などは何もありません。
経営者はそのような責任を伴う立場にあるからこそ、会社の儲けの大半を持っていく事が出来るんです。
まして、マネーの虎で資金を出してもらえるかなど、全く持って「分からない」わけですから、
『私はマネーの虎に出ます。お金を出してもらえたら会社を辞めて自立します。』
というような事を先に会社に言う意味もなければ、その必要なども全くありません。
会社に勤めながら自立を目指している人が、どうなるかも分からない「資金集め」をしているような段階で、あえてその事を会社に言うメリットなど何も無いからです。
まとまった資金が集まり、独立のめどが現実的に立った段階。
そこで初めて退職を願い出る事は至って普通の事だと思います。
その際、会社側から、
「せめてあと〇カ月はいて欲しい」
などの提案を受け、そこで「義理」を感じるなら、会社側、経営者側の提案に乗ってあげればいいだけの話です。
会社側がいつでも社員をクビにする自由があるように、雇用者側もいつでも会社を辞める自由があります。
私はそれが普通だと思いますので、加藤和也社長、堀之内九一郎社長の意見は気持ちが全く分からないわけでもありませんが、結局それは経営者のエゴでしかない意見だと思いました。
このくだりに関しては安田久社長が正しいと思いましたね。
勿論、感情論で言えば意見は様々なところだと思いますが、会社側がいつでも社員をクビにする自由があるように、雇用者側もいつでも会社を辞める自由がある。
私はこれが「現実」だと思いますので、この件に関しては、この現実こそが全てだろうと思いました。
まあ、時に「感情論」が大事な物事もあるかもしれませんが、ビジネスというフィールドにおける経営者の経営判断は、もっと合理的に、ドライに割り切るべき事が多いと思います。
そういう点では、加藤和也社長は生まれ、境遇的にも感情論で物事を上手く運べるような立場だったのが「現実」ですし、堀之内九一郎社長はその末路を考えると、少しこの辺りの経営判断が出来ない人だったのかもしれません。
勿論、このくだりのみで2名の社長の経営者としての器、気質を図れるというわけではありません。
ですが、こういうところにも経営者としての一端が現れるという話でした。
以上、今回の「マネーの虎に学ぶビジネス学講座」は、
「ハワイ風ファーストフード、ロコロール編」
の考察でした。
他の放送回における考察も行っていますので、興味があればどうぞ。
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